アメリカ駐在員がオランダ駐妻になったら

アメリカ駐在員がオランダ駐妻になったら

こんにちは。アラフォー2児の母です。長男出産後、単身でアメリカ駐在を経験しました。次男出産後、夫の赴任に伴い現在オランダにて駐妻しております。

駐妻が解説する、オランダのサーキュラーエコノミーについて

こんにちは。今日はオランダのサーキュラーエコノミーについて書きたいと思います。その前にサーキュラーエコノミーって何?!って思いの方多数いらっしゃると思います。ご安心ください。私自身も2年程オランダに住んでいたにもかかわらず、オランダがサーキュラーエコノミー最先端の国だと知ったのはごく最近です。「環境へ配慮しながらも、経済をまわしていく」と言うシンプルな考えにとても共感し色々調べたので、今日は出来るだけわかりやすくオランダが取り組んでいるサーキュラーエコノミーについてまとめてみたいと思います。

サーキュラーエコノミーとは

私がサーキュラーエコノミーという言葉を知ったときに、まず最初に頭に浮かんだ質問は「リサイクルとどう違うのか」です。調べていく中で、一番分かりやすかった説明がアクセンチュアがまとめた本による下記内容です。それによると、サーキュラーエコノミーとは循環型経済を指し、大きく下記の5つに分類する事が出来ます。 

1.サーキュラー型のサプライチェーン 

    再生可能な原料を使用

2.回収とリサイクル 

    廃棄前提だったものを再利用

3.製品寿命の延長

    修理、アップグレード、再販

4.シェアリングプラットフォーム

    保有しているものを貸して収入を得る

5.サービスとしての製品

    利用に応じて支払う

「新装版 サーキュラーエコノミーデジタル時代の成長戦略より」  

つまり、リサイクルもサーキュラーエコノミーの一つで、また近年人気のAirbnbUber等のシェアリングエコノミーもサーキュラーエコノミーの一つなのです!ということで、ぐっとイメージしやすくなり、サーキュラーエコノミーが非常に身近なものに感じることが出来たのではないでしょうか。

 

アムステルダム市が取り組むサーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーで最先端を行くオランダでは今後の取り組みを数値化しており、アムステルダム市のホームページには2050年に完全なサーキュラーエコノミーを目指すと宣言しております。

“洗濯機のリース、解体後も再利用可能な建物、ご近所とのカーシェアリング。これらが2050年までにアムステルダムが目指すサーキュラーエコノミーです。“

目標

2025年:家庭ごみの65%をリサイクルまたはリユースのために分別

2030年: 第一次原料資源の50%削減

2050年:完全なサーキュラーエコノミー

アムステルダム市 2050年プラン「サーキュラーエコノミ」より抜粋

とは言うものの、上記の数値宣言を掲げたすぐ下に、こんな素敵な文章もありました。

The concept of "learning by doing".  After all, no one knows exactly how a circular economy is supposed to look.  We will have to blaze a new trail and learn as we go along.  Amsterdam will serve as a 'living lab' a place to experiment and innovate.

官民一体となりサーキュラーエコノミーに関する新しい取り組みをトライアンドエラーで実施して行く意気込みや、目標数値をきっちり定めながらも、まずは実行しながらベストな形に変えて行く、と言うなんともオランダらしい姿勢に更に共感が持てました。

 

実際どんなことに取り組んでいるの?!

百聞は一見にしかず。サーキュラーエコノミーという概念が心に刺さった私は、早速いくつか施設を訪問しました。その中でも、オランダ在中の駐妻のみなさんや旅行者の方でも気軽に行けるお勧めのスポットを3つ最後にご紹介したいと思います。全部アムステルダム市内にありますので、興味を持たれた方は是非気軽に立ち寄ってみてください。

 

①Instock

こちらはオランダで知らない人はいないアルバートハインのスーパの元従業員が廃棄される食品を見てどうにかそれらを活用出来ないかというアイディアから開店されたレストランです。廃棄される食材をレスキュー(FOOD RESCUE)するというコンセプトで、社内にプレゼンし見事会社の承認と支援を受け、アムステルダムに立ち上げ、現在はオランダで3店舗も展開しております。

 

私は朝、息子たちを学校に送り届けた後、ママ友と朝食を食べに行きました!

メニューは一応ありますが、当日にならないと何が食べれるか分かりません。この日の朝のメニューはグラノーラとビーツのチョコケーキでした。

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コーヒーもフェアトレード商品を使っているとのこと。

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フードレスキューした食材の数量も掲載。うまく「見える化」してるなーと思いました。

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どれもとっても美味しかったです。

 

②Buiksloterham地区 IjHallen

もとは工業地帯であったこの地区は、新たに住まいやオフィスやスタジオの再開発されています。建物を再利用したり、新築する場合は再利用できる素材を使用するなどして、サーキュラーエコノミーを地区全体として取り組んでいる素晴らしい場所です。その中でも、毎月一回行われるIjHallenのフリーマーケットはお勧めです。ちなみに、ここを訪れてからすっかりアンティーク食器にハマっている私です。

倉庫をそのまま活用したヨーロッパ最大のフリーマケット。

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アムステルダム中央駅から出てる無料のフェリー*で行けます。

*2020年1月時点

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③Fashion for Good

アムステルダムユニクロ店の近くにある、誰でも気軽に立ち寄ることが出来るファッションの視点からサステイナビリティを考えた無料の施設*です。素材の再利用や環境に優しい循環型素材の提案など色んなアイデアを学ぶことが出来ます。*2020年1月時点

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特に良かったなと思ったのが、環境問題を「自分ごと」に捉えることが出来るように、工夫されていた点です。

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以上が初心者が学んだ、オランダの取り組むサーキュラーエコノミーについてです。環境問題は一人一人の取り組みが大きなインパクトに繋がると最近は感じるようになったので、今後とも新しい気づきがあれば、またシェアさせていただきます